仕事や観光で新幹線を利用する方は多いと思いますが、JRのチケットシステム、特に新幹線の切符にはわかりにくい点が多く、初めての利用者にとっては特に困惑することも少なくありません。
この記事では、新幹線で頻繁に使用される「特定特急券」にスポットを当ててご紹介します。
ほとんどの方が一度は目にしているはずです。
「特定特急券と自由席特急券の違いは何か?」
「新幹線の運賃を節約できるのか?」など、
一般的な疑問にお答えしながら、特定特急券の詳細とその利点を解説していきます。
特定特急券について:その意味と必要性
「特定特急券って何だろう?」と考える人は少なくないでしょう。
新幹線を初めて利用する際には、この言葉に戸惑うことが多いです。
簡単に説明すると、特定特急券は自由席に使える特急券です。
一般に「自由席には自由席特急券があればいいのでは?」と思うかもしれませんが、特定特急券にはそれなりの理由と機能が存在します。
特定特急券が必要な理由
特定特急券がなぜ必要かと言うと、新幹線の指定席料金は高く、多くの乗客にとって大きな負担になりがちです。
全席が指定席の「はやぶさ」のような列車では、指定席料金の支払いが必須です。
指定席が満席であっても、特定特急券を使用すれば移動を保証できるため、特殊な状況に対応するために設けられた制度です。
特定特急券の適用範囲
特定特急券は主に新幹線の隣接する駅間で使用できます。
チケット購入時に特別な手続きは必要なく、システムによって自動で適用されます。
また、過去に隣接駅間だったエリアでも、この特急券が適用される場合があります。
この点については後ほどさらに詳しく説明します。
「特定特急券」と「自由席特急券」の違いとは?
「特定特急券」と「自由席特急券」、この2つの券種の名称は似ているものの、実際には全く同じものではありません。
それぞれの券種がなぜ異なる名前を持っているのか、疑問に思われる方もいるかもしれません。
この違いの主要な理由は、料金の計算方法にあります。
一般的に自由席特急券の料金は指定席より530円安い設定です。
しかし、特定の区間においてはさらに低価格で提供される「特定特急料金」が適用され、その料金で発行されるチケットが「特定特急券」と呼ばれています。
このチケットの適用は乗車区間によって決まるため、利用者が自由に選ぶことはできません。
また、これは割引券ではないので、その点に注意が必要です。
さらに重要な違いは「指定席に変更する際の追加料金」にあります。
通常の自由席特急券を使用して指定席に変更する場合、追加で支払う料金は530円(通常期)です。
しかし、特定特急券の場合は自由席が通常よりも安価であるため、指定席に変更する際の追加料金が530円を超えることがあります。
特に繁忙期など料金が変動する時期には、この差が顕著になります。
結局のところ、安価な特定特急券でも、指定席に変更する際の追加料金を考慮すると、コスト的に大差ないと感じることもあるでしょう。
特定特急券を利用して新幹線の料金を節約する方法
「特定特急券を使えば新幹線の料金をお得にすることができるのか?」と疑問に思っている方は多いかもしれません。
実は、SNSでの報告によると、多くの利用者が特定特急券を用いて料金を節約しているようです。
この切符を正しく理解し活用すれば、あなたも料金を抑えることが可能です。
こちらでその節約方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
①新幹線の短距離区間での運賃について
新幹線を利用して短距離を移動する際、高い指定席料金が負担となることがあります。
そのため、自由席の利用者には料金が削減されることが一般的です。
各地域における料金設定は次の通りです。
- JR東日本およびJR西日本(北陸エリア):50km以下で880円、それ以上は1,000円。
- JR北海道:50km以下で1,330円、51km以上で1,520円。
- JR東海、JR西日本(山陽エリア)、JR九州:50km以下で870円、51km以上で990円。
一部の区間では「特定特急券」の設定がない場合があります。
具体的な例としては、九州新幹線の新八代駅から川内駅間があります。
②全車指定席の新幹線で立席を利用する場合
全車指定席の新幹線が満席である時は、立席で乗車することになります。
この場合、座席に座ることは許可されていないため、誤って座ってしまうことのないよう注意が必要です。
このような立席チケットの料金は、通常の指定席特急料金より530円安くなっています。
チケットは駅の窓口で購入できます。
さらに、特定特急券は在来線の一部特急列車でも使えることがありますが、対象となる列車は限られています。
特に短距離での利用時には料金が割引されるため便利です。
指定席よりも低価格で利用できるのはメリットですが、座席が保証されないのは欠点と言えるでしょう。
新幹線には通常、自由席と指定席がありますが、「東北新幹線はやぶさ」は全席指定席で、自由席は設けられていません。
この事実を知らずに「はやぶさに自由席で乗るつもりで乗車してしまった」という方も少なくないでしょう。
「自由席と思って乗ったけれど、どうしたらいい?」と困惑することがあるかもしれません。
この記事では、はやぶさに自由席で乗ってしまった時の対処法と、立ち乗りが可能かどうかについて詳しく説明しています。
③東北・北海道・秋田・山形新幹線の特別区間での乗車方法
東北、北海道、秋田、山形新幹線の一部区間では、通常の新幹線利用とは異なるルールがあります。
特に盛岡から新函館北斗間や盛岡から秋田間のように、自由席が設けられていない区間では、自由席特急券を使用することができません。
このため、初めての方は「指定席を取らなければ乗車できないの?」と疑問に思うことでしょう。
しかし、これらの区間は全席が指定席であっても、特定特急券を利用すれば事前の席予約なしに乗車可能です。
特定特急券の利用には注意が必要で、他の新幹線とは異なる扱いとなっています。
全車指定席の場合は通常座席に座ることは認められていませんが、特定特急券(立席)を持っている場合には、空席があれば座ることが許可されています。
④東海道・山陽新幹線「のぞみ」と「みずほ」を利用する際の特定特急券
東海道・山陽新幹線で「のぞみ」や「みずほ」の自由席を利用する場合、特定特急券を用います。
一般に新幹線の自由席特急料金は、同じ区間であれば列車の種類に関わらず同じですが、「のぞみ」と「みずほ」では指定席の料金が他の新幹線に比べて高く設定されているため、自由席と指定席の料金差が通常の530円以上になります。
その結果、通常の自由席特急券ではなく、特定特急券が必要となるのです。
チケットには「自由席特急券/特定特急券」との表記がありますので確認が必要です。
さらに、列車ごとに指定席への差額も異なるため、その詳細を覚えておくことも大切です。