わたしたちの毎日の生活には、さまざまなゴム製品が使われています。
たとえば、文房具の輪ゴム、髪をまとめるヘアゴム、お弁当箱や水筒のフタに使われるゴムパッキンなどです。
これらのゴムは、最初はしっかりとした弾力があるのに、長く使っていると、だんだん伸びてしまうことがあります。
見た目もくたびれてしまい、「まだ使いたいのに、ちょっと恥ずかしいな」と感じたことはありませんか?
それでも「気に入っているから、捨てるのはもったいない」と思うこともあるでしょう。
そこでこの記事では、伸びてしまったゴムをできるだけ元の状態に戻すための、かんたんで実用的な方法をご紹介します。
輪ゴムやヘアゴムはもちろん、日用品や衣類に使われているゴムまで、幅広く対応策をまとめました。
身の回りにあるゴム製品を、もう一度よみがえらせるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
ゴムが縮む理由は「熱」と関係があるって本当?
ゴムの多くは、「ポリイソプレン」という物質から作られています。
これは、自然のゴムと似た性質を持っていて、引っぱっても元に戻る弾力性が特徴です。
たとえば、輪ゴムは「加硫(かゆう)」という工程で、ゴムに硫黄を加えて強くしたものです。
ヘアゴムは、ゴムの芯に糸や布が巻きつけられていて、装飾がついていることもあります。
でも、こうしたゴムも、日光に含まれる紫外線や空気中の微生物にさらされると、だんだんと劣化してしまいます。
時間がたつと、ゴムの中の分子の動きがゆるくなり、伸びきって元に戻らなくなってしまうのです。
この現象をくい止めたり、少し元に戻したりする方法があります。
それが「熱を加える」ということです。
ゴムの分子は、温度が上がると活発に動きます。
この動きを「ミクロブラウン運動」といい、熱によってゴムが縮むメカニズムに関係しています。
つまり、伸びたゴムに一時的に熱を加えることで、ある程度元の形に戻すことができるのです。
ただし、すべてのゴムに効果があるわけではないので、素材や状態によって注意が必要です。
よく使う輪ゴムとヘアゴムを縮める2つの方法
毎日の生活でよく使う輪ゴムやヘアゴムが伸びてしまったとき、どうしたら良いのでしょうか?
ここでは、手軽にできる2つの方法をご紹介します。
① 熱湯でゴムを縮める方法
熱湯を使えば、手軽にゴムを縮めることができます。
とくに輪ゴムや、飾りのないシンプルなヘアゴムに向いています。
準備するもの
アイテム | 用途 |
---|---|
熱湯 | ゴムに熱を加えて縮ませるため |
ボウルや容器 | ゴムを入れるための入れ物 |
タオルや布巾 | 水分をふき取って乾かすため |
手順
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ボウルや容器に伸びたゴムを入れます。
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熱湯をそっと注ぎ、30秒〜1分ほどそのままにします。
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ゴムが縮んでいるのを確認したら、すぐに取り出します。
-
タオルでやさしく水気をふきとり、しっかり乾かします。
※熱湯を扱うときは、火傷に十分注意してください。
② ドライヤーの熱を使って縮める方法
飾りがついていて、お湯に浸けたくないヘアゴムには、ドライヤーが便利です。
熱風を使えば、ゴムの部分だけを狙って縮めることができます。
準備するもの
-
ヘアドライヤー
手順
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ゴムの部分にドライヤーの熱風をあてます。
-
10~15秒ほど様子を見ながら温めてください。
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熱をあてすぎないように、こまめに距離を調整しましょう。
ドライヤーの風が直接手に当たると熱いので、手袋を使うと安心です。
使いづらくなったゴムパッキンも熱で復活!
お弁当箱や水筒、キッチン道具のフタには、ゴムパッキンがよく使われています。
このパッキンも、使っているうちに伸びてフィットしなくなることがあります。
でも捨てる前に、熱湯を使って元に戻せるか試してみましょう。
準備するもの
アイテム | 用途 |
---|---|
沸騰したお湯 | ゴムに熱を加えて縮ませるため |
冷水 | 縮みすぎた場合の調整用 |
ボウルや容器 | ゴムパッキンを浸すため |
タオルや布巾 | 水分のふき取りと乾燥用 |
手順
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ゴムパッキンをボウルに入れて、沸騰したお湯を注ぎます。
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数十秒放置し、縮んだのを確認したらすぐに取り出します。
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タオルで水分を拭き取り、冷めたら製品に取りつけてみましょう。
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縮みすぎた場合は、冷水に入れて少しずつ伸ばして調整します。
この方法で、買い替えなくてもゴムパッキンを再利用できる可能性があります。
衣類のゴムが伸びたら「縫い補修」がオススメ
トレーナーや靴下、パーカーなどに使われているゴムは、簡単には取り替えられません。
そんなときは、「ゴムカタン」と呼ばれる細いゴム糸を使って補修する方法があります。
ミシンでも手縫いでもOKなので、裁縫が苦手な人でもチャレンジしやすいです。
伸びた部分の内側を2〜3回ほど縫い合わせることで、ゴムの伸びを補強できます。
この方法を取り入れることで、伸びた衣類をもう一度使えるようになり、お気に入りの服を長持ちさせることができます。
熱でも縮まないときは「交換」も大切
どんなにがんばっても、すべてのゴムが元通りになるわけではありません。
劣化が進んでいたり、熱を加えすぎて傷んでいたりすることもあります。
以下のような状態なら、無理せず新しいゴムに交換するのが安心です。
ゴムの状態 | 対応方法 |
---|---|
切れている | 新しいものに交換 |
熱で溶けたり変色した | 使用を中止 |
ベタベタしている | すぐに交換 |
ヘアゴムなら、中のゴムだけを取り替える方法もありますし、輪ゴムは安価なので買い替えもかんたんです。
安全に使うためにも、寿命が来たら潔く交換しましょう。
【まとめ】ゴム製品を上手に直して長持ちさせよう
最後に、この記事の内容をもう一度まとめておきましょう。
方法 | 適したゴム製品 | 注意点 |
---|---|---|
熱湯での処理 | 輪ゴム、ゴムパッキン | やけどに注意、乾燥を忘れず |
ドライヤーによる温風処理 | ヘアゴム | 熱の当てすぎに注意 |
ゴムカタンの縫い付け補修 | 衣類のゴム | 縫い方を間違えないように |
ゴムの新規交換 | すべてのゴム製品 | 劣化が激しい場合におすすめ |
お気に入りのゴム製品を長く使うためには、ちょっとした工夫が大切です。
捨てる前に、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてくださいね。
あなたの大事なアイテムが、もう一度元気に使えるようになることを願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。