外付けまたは内蔵のHDDが突然故障した場合、その中に保存されている大切なデータを取り戻すために、データ復旧サービスの利用が一般的です。
通常はデータの定期的なバックアップが推奨されていますが、HDDにのみ保存された重要なデータが損傷した場合には、復旧作業が欠かせません。
データ復旧を専門業者に依頼するとき、多くの方が懸念するのは、敏感なデータや個人情報が業者に見られるリスクです。
仕事で使う情報や個人的な内容が含まれていると、この心配はさらに強くなります。
こうした不安を持つ方々のために、データ復旧サービスを利用する際のプライバシー保護について、詳しく説明します。
データ復旧作業における詳細な内容確認は実施されていない
データ復旧作業を行う際、依頼の種類によってデータの取り扱いは異なるものの、業者は通常、データの内容を詳しく調査することはありません。
例えば、障害が発生したHDDから復旧される画像や動画、テキストファイルは、内容を具体的にチェックすることなく、データの完整性のみが評価されます。
業者はデータを広範に調べることはせず、必要最小限の範囲でのみファイルを開くことが一般的です。
復旧したデータが正しく回復しているかの確認のため、一部のファイル構造を検証する必要がある場合がありますが、これはデータ内容を閲覧するためではなく、その整合性を確かめるためです。
テキストファイルを開く際にも内容は読まず、動画を再生しても詳細な内容は確認しません。
データのチェックは、選ばれた一部のファイルに限定され、それも復旧が正常に行われているかを確かめるためだけに行われます。
復旧プロセスでは、ファイル名やフォルダ名が参照される程度で、データが正しく復元されているかどうかのみがチェックされます。
情報の外部漏洩や保存はしないことが基本
データ復旧作業を行う際、業者が偶然目にするデータが外部に漏れることや無断でコピーされることは一般的にありません。
しかし、中には不正を働く業者も存在するのは、HDD復旧業界だけでなく、他の業界にも共通する問題です。
ですから、業者選びには細心の注意を払い、評価が高く信頼性のある業者を選定することが、安心してサービスを利用するための鍵となります。
一部の業者はプライバシー保護オプションを提供
HDD復旧業者には多様なタイプが存在し、中には顧客のプライバシー保護に関する要望に応じたサービスを提供している業者もあります。
これはすべての業者に共通するわけではありませんが、一般的には特定のデータを閲覧しないようにリクエストすることが可能です。
公式にプライバシー保護サービスをアナウンスしていない場合でも、依頼時に「特定のデータを非表示にしてほしい」や「可能な限りデータの閲覧を避けてほしい」といった要望を伝えることができます。
業者や要望の内容によって対応の程度は異なりますが、多くの業者は顧客のニーズに応じることが多いです。
気になる点がある場合は、依頼時に相談することが推奨されます。
HDDに違法なデータがある場合、復旧作業は中断されることがある
通常、HDD内に違法なデータが存在していると判明した場合、データ復旧のプロセスは中止されることがあります。
大多数のユーザーは法律を遵守してデータを利用していますが、もし違法なデータが確認された場合(例えば、ファイル名やフォルダ名から違法性が推測される場合など)、関連するHDDの復旧作業を進めることはできません。
このような問題を回避するためにも、常にデータを正しく管理し、法律に則って使用することが非常に重要です。
データ管理の際には、違法な内容が含まれていないかを常に確認し、法律を守るよう心がけてください。
まとめ
HDDのデータ復旧時には、ファイル名やフォルダ名が見えるのが普通ですが、通常、内容を深く調査することはありません。
ただし、特定の状況下では、業者が一部のファイルを開くことが完全には排除できません(例として、画像やテキストファイルを具体的に開いて閲覧する場合がこれに該当します)。
それにもかかわらず、各ファイルを詳細に検証したり、コメントを付けるようなことは行われることはありません。
もし不安が残る場合、復旧作業を依頼する前に業者と事前に相談を行うか、自分で復旧を試みる(適切な復旧ソフトウェアを利用するなど)のも良い選択肢です。